アイドルオタクをとりまく覗き見の快楽
以前私の個人的な課題のためにこのようなアンケートをとった。
課題で調べていることについてのアンケートにご協力いただけると幸いです！アイドルオタクを取り巻く「覗き見の快楽」についての2問のアンケートです。お手数ですが、お時間ある方ご協力お願い致します。 https://t.co/bbLNAReJR2
— のぞみ (@nm__jasmine) 2016年7月28日
テーマは「アイドルオタクをとりまく覗き見の快楽」
課題のために堅苦しい文字を並べてこんなふざけた内容をド真剣に書いて出したわけですが、本当に皆様のおかげでほぼ満点に近い点数をいただきました…(小声) 短い期間ながらアンケートご参加いただいた皆様ありがとうございました！
せっかく調べてアンケートにもご参加いただいたので、わたしがちょこっと調べたことをつらつらと書いていきたいと思います。（少し堅苦しい文章ではありますが、論文用に書いたものですので悪しからず・・・）*1興味のある方は覗いてみてください〜。
覗き見の快楽は誰でも経験したことのある快楽であるはずだ。その中でも今回ある部類の人間たち ーアイドルオタクの「覗き見の快楽」に着目し、その実態と現代社会に与える影響を論じたい。
アイドルファンは覗き見との関係が密接にある。例えば、合宿映像（タレントが合宿をしてその様子を固定カメラなどで撮影し映像化したもの）やオフショット、私物・自宅公開、パパラッチなどである。裏側を見たいというファンの欲望をこれらの媒体を利用してかなり簡単に覗き見することができているのだ。「覗き見」と聞くと個人の快楽だと思いがちだが果たして本当にそうだろうか。
まずそもそもアイドルファンはこのような覗き見に対してどう思っているのだろうか。このレポートを書くにあたってアンケートをとった。
【アンケート概要】
期間 ２０１６年７月２８日～７月３０日（２日間）
対象者 アイドルファン
回答者数 ４９人*2
アンケート方法：Googleフォームにて作成・Twitterに投稿
【アンケート内容】
①あなたはアイドルのプライベート感が見えるものが好きですか？
②「はい」と答えた方に質問です。その理由をお答えください。
【アンケート結果】
① はい：９６％（４７人） いいえ：４％（２人）
アンケートをとったところ、約９６％の人がそういったアイドルのプライベートが見える媒体が好きなのである。つまり、アイドルの裏側を見ようとする覗き見が好きなわけである。覗き見が好きな理由としてあげられたものを以下にまとめた。
１.【違った顔が見える】
▶︎楽屋でのオフショット、私物、泊まりのロケ映像は普段見れない自分の好きなアイドルの行動が見れてドキドキします。でも、見せすぎるとちょっとびっくりしてしまいます。アイドルが見せるというより、アイドルが魅せるプライベート感っていうのがいいのかもしれません。アイドルということが崩れない程度の、まさしくチラ見え。それが多少テレビ用に作られていてもいいのです。プライベートも見たいけど、アイドルでいて欲しい。私はとってもとっても我儘なんだと思います。
２.【本質が見える】
▶︎本質が見れる気がするから
▶︎テレビに出るときに少なからず繕っている「タレント」という概念から外れた「ありのままの人間性」が見えるから。また、見たくてもなかなか見れないからこそ好き。
▶︎つくられてたりキメてる感じがなくて可愛いから。
▶︎普段見れない部分が見れるから
▶︎アイドルの素が大好き。普段とのギャップがある場合もあれば、ない場合もある。どちらでも構わないし、どちらでもよりその人のことがもっと大好きになる。素を知ることで、普段見れないところに覗き見してる気持ちになるのかもしれない。普段見れないところを見たいという気持ちから、プライベートを知ることができるのなら知りたい！となった。むしろアイドルをしてる本人より素の本人のほうが好きかもしれない…。1人の人間として生きてるアイドルの裏側が大好きだし、これが好き。これにハマってる。なんて聞くとアイドルに影響される自分の性格上かもしれないけど。
▶︎自分が知らなかった一面を見れてドキドキするから
▶︎普段見えない部分が見えて嬉しくなる。
▶︎こんな一面もあるんだと知ることができるから。
▶︎仕事ではない素の部分にキュンときます。その人に少し近づけた気持ちになります。
▶︎作られてない感じがするから
▶︎新たな一面を見れる時があるから
▶︎普段見れないものが見れるのは嬉しいから。
▶︎アイドルという職業上の顔とは、また違う顔が見える気がするから。しかし、それすらも裏の顔だったりするかもと最近考えます。
▶︎プライベートは普段アイドルが隠している部分だから。
▶︎アイドルという偶像ではなくリアルな人間みある部分を見ると実像を感じるところが楽しいから
▶︎ビジネス感を感じること無く、素の表情を見れた気分になるから。また、プライベートの過ごし方を想像しやすくなるからです。
▶︎素の彼らが垣間見えて楽しいから
▶︎そのアイドルの素の部分を見れた気がするから。
３.【同じ人間なんだと再認識】
▶︎アイドルとしてではなくただの人間として感じられる。
▶︎次元から2.5次元の存在になるような“気がする”
▶︎生きてる･･････
▶︎普段は天使のようなのに、人間なのだと気付かされるから
▶︎アイドルとして活動している姿をみていると、遠い存在なんだなぁ〜としみじみ思いますが、プライベート映像や写真を見ると、この人たちも自分たちと同じ人間なんだなぁと親近感が湧いてちょっと嬉しくなるからです。
▶︎私たちファンはテレビ向き、アイドルとしての彼らしか見ることが出来ないので大変貴重であるとともに同じ人間なんだという底知れぬ興奮を覚えるからです。
▶︎素の部分が見えることによって、同じ人間なんやな～っていう親近感？というかそういうものを感じられて嬉しいのと単純に萌える。
▶︎そのアイドルがちゃんとこの世に実在して、私たちと同じで生活してる感じがあるから。
４．【興味がある】
▶︎正直、アイドルの公開するプライベートは、ビジネスの一環であると考えているので、アイドルでないオフの部分を見ることが出来るとは全く思っていません。ですが、たとえビジネスプライベートでも、普段の実体の見えない虚像のように感じられるアイドルよりは、端々に現実味があり、自分たちに少し近く感じられるため、どちらかと言えば好きです。
▶︎アイドルという特殊な職業をしている彼らが私たちと同じ生活をしているのか、また変わったことをしているのか、興味があります。またその中で自分と同じ部分や共感できる部分が見え隠れするのを見るのが好きです。
▶︎どんな物が好きなのか単純に気になるから。でも、粗(女の影等)が見えるのは嫌なので頻度は程々で良い。
▶︎普段のテレビ以外で見る生活を見たいから
▶︎なんでかわからないし、表のキラキラアイドルだけ見てたいと思う反面、やっぱりその人のことを知りたくなってしまうから
▶︎全てを知りたい。
▶︎好きなアイドルについていろいろと知りたくなってしまうから
５.【親近感】
▶︎普段見えない、アイドルの素（に限りなく近い部分）が見えることは、遠くにいるアイドルの存在を少し近いものに感じさせてくれるので好きです。いつも見ているアイドルもオフショットだと少し違った顔をしているなどということはよくあるので、そのような場面を見ることはどこか新鮮な気持ちにもなれると思います。
▶︎アイドルという特殊な職業をしている彼らが私たちと同じ生活をしているのか、また変わったことをしているのか、興味があります。またその中で自分と同じ部分や共感できる部分が見え隠れするのを見るのが好きです。
▶︎テレビカメラが回っているところでは、100%アイドルを演じてくれているそんな人の、心を許した人にしか見せることがないプライベートな一面、つまり素をたまに見せてくれると、「あ、大好きな◯◯くんにもこんな一面があるんだ。」と嬉しくなるから。だからといってプライベートをたくさん見たいわけではありません、あくまでアイドルの◯◯くんが好きだから。
【その他】
▶︎プライベートが見えるものは好きだけど、それは本人から発信された者に限ります。
▶︎Twitterなど一般人から発信されるものは好きではありません。
▶︎色々と知りたい
▶︎レア感があるから
▶︎それが本当かどうかなんてどうでもいい、ただ「覗き見えた」という快感が得たいだけ。
▶︎妄想の糧になる。
▶︎その人のアイドルじゃない面を見ることで、その人がアイドルしている時の輝きが増す気がします。
▶︎飾らない姿がすきだから。
▶︎公式にテレビや雑誌などで見られる私物やオフショットであれば。
▶︎何だかとても興奮するから。
▶︎プライベート感のあるものが一番、アイドルの性格が分かりやすく垣間見えるからです。そこから何か共通点を探す、見つかった時のささやかな喜びがまたオタクが楽しめるポイントだったり。(気持ち悪い)
▶︎普段見えない所が見ることができて、特別感があるから。
▶︎イケナイものを見ているような背徳感がたまりません
▶︎その人のことが少し知れたような気持ちになるから。でも、オタクが知り過ぎない程度に隠して欲しい気持ちもあります。
▶︎興奮します。しかし、偶像のままでいてほしいという気持ちもあるので、どちらかといえばの話です。
覗き見は本能的なものでもあり、見ようとしてもなかなか見られないという立場にある「アイドル」は覗き見たいという欲求がより感じさせられるために覗き見の対象になりやすいのではないかと予想する。
多くの人が取り憑かれるこの覗き見の快楽。「アイドル」という道具を使い、ファンの覗き見の快楽の欲求を巧みに使って私たちは操作されることもある。
例えばタレントのオフショットなどの写真が売られる公式ショップや雑誌などの企画ではカメラマンが撮影した写真よりも、タレントが自分たちで撮影した写真 —いわゆる自撮り写真の方がよりプライベート感が出るので売れるのである。店側や企画者はそういうことも考えてか近年自撮り風の写真を販売することも多くなっており、実際に売り切れが多く出ている気がする。
また先日７月上旬、嵐の二宮和也とフリーアナウンサーの伊藤綾子が交際していると女性セブンより報じられた。この報道がネット上で話題になると、伊藤さんが所属する事務所のセント・フォースのホームページ上で書いているブログで彼女が交際をほのめかすような投稿や写真があったことに注目が集まった。（現在ブログは削除済み）彼女のブログは有料にもかかわらず、その投稿や写真を確かめたいがために多くのファンが登録し、読者が急増した。結果、ブログの運営側である事務所が儲ける形になっているのである。
このように私たちは私たちのためだけであるように思える、覗き見の快楽の欲求を満たそうとするが、それは必ずしも個人だけに影響するだけではないことがわかる。どこかに罠があり、他に作用することもあるのだ。ファンの覗き見の快楽を使って社会に影響を与え、お金が回るようになる場合や、誰かがどこかで得をするように動かすことも可能なのである。ファン側がそれに気づいたとしても覗き見は終わることなく互いに作用し続け合うであろう。
